新版K式発達検査

発達年検査(発達年齢と発達指数)

発達検査は発達全般及び運動、認知、言語・社会性などの子どもの状況を客観的に測定する検査です。検査結果は、「健常児」ではどのくらいの年齢に相当するかという発達年齢(Developmental Age:DA)と、発達年齢を実年齢で除し 100倍して得られる発達指数(Developmental Quotient:DQ)で表現されます。年齢どおりに発達していれば発達指数は100となります。

新版K式発達検査とは

新版K式発達検査は、乳幼児や学童期の子どもの発達障害を把握するために、療育現場や検診、児童相談所などで幅広く活用されています。

新版K式発達検査は、京都市児童院(現 京都市児童福祉センター)が、当時国際的に広く使われていたビネー知能測定尺度、ゲゼル発達診断、ビューラー発達検査をもとに1951年に開発・標準化した子どもの客観的な発達状態を評価する検査法で、その後さまざまな改訂と拡張が繰り返されてきました。
2001年に刊行された「新版K式発達検査2001」では、姿勢・運動(P-M)、認知・適応(C-A)、言語・社会(L-S)の3つの領域についての検査項目に、子どもがどのように反応、応答するかを観察し、発達年齢と発達指数を算出します。これらの結果を組み合わせて、発達の偏りや進み具合を継続的に評価できるのが特徴です。実年齢によって用いる検査用紙が異なり、またその用紙によって、所要時間が異なります。一般的な所要時間は約30分(15~60分)で、適用年齢は0歳(生後100日)~成人です。
新版K式発達検査2020では2001を基礎として、基本的な構成を踏襲し、検査項目を追加して幅広く発達評価ができるようになりました。成人の検査項目をいくつか新設し、より精密に評価できるようになりました。
なお、診療報酬点数は「D283」発達及び知能検査「2」(操作は複雑なもの)280点(2018年度現在)です。

検査項目の概略

領域検査内容
姿勢・運動
(P-M)
運動神経の発達を調べます。
・寝返り、ケンケン、歩行 など
認知・適応
(C-A)
物を認識し、どのように適応できるかを調べます。
・見本と同じものを積み木で作る、鉛筆で書く
・場所の記憶 など
言語・社会
(L-S)
どれくらい言葉を使えて覚えることができるか、
常識がどの程度身についているかなどを調べます。
・絵を見て言われたものを指さしして答える、数唱や計算ができる
・聞いた言葉を真似して言う
・日常的なことに関する質問に答える など

発達指数によって同年齢の児と比較してどれくらい発達成長しているかを調べます。
発達指数は100が健常児の平均的な発達を示します。

  • 100よりも高ければ発達が平均よりも進んでいる
  • 90であれば少し発達が遅れている可能性がある
  • 80以下であれば全般的な発達が遅れており、支援や専門家への相談が必要な可能性がある 
「新版K式発達検査は、乳幼児や学童期の子どもの支援や療育現場でも使用されており、発達障害を把握するのにも広く使用されています」

ムコ多糖症Ⅱ型における発達年齢の経過

ムコ多糖症Ⅱ型の患者さんの発達年齢は、ある時期がくると年齢が進んでも発達年齢が増えていかない(停滞期)、次第に「今までできていたことが、できなくなってくる」(退行期)という経過をたどる場合もあります。新版K式発達検査を用いてムコ多糖症Ⅱ型の発達年齢の評価をします。


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